月の写真に、
海とクレーターの名前を。月写真アノテーター Ver1.3.8
ご自身で撮影した月の写真に、海・クレーター・山脈・着陸地など634か所の地名と経緯線を重ねて書き出せるWebアプリです。撮影日時と場所から、その瞬間の月の傾きや秤動を計算し、写真の月の縁と海の形を読み取って位置を合わせます。満月も三日月も、一部を拡大した写真も扱え、PNG・SVG・PDF・PSD・Photoshopスクリプトで書き出せます。インストール不要、ブラウザだけで動きます。
BEFOREAFTER
特長Features
月面図と見比べながら地名を一つずつ書き込む――その手間を、写真を読み込んで日時を入れるだけの作業に変えます。
撮影した瞬間の月を計算
撮影日時と場所から、月の秤動(首振り)・自転軸の傾き・太陽の当たり方・地平高度を計算。観測地から見た位置(地心ではなく観測地中心)で求めます。
縁と向きを自動検出
写真から月の外縁を1ピクセル程度の精度で検出し、海の形または輝面(光っている部分)から写真の向きと左右反転を判定。細い三日月にも対応します。
拡大した一部分の写真も
月の一部だけを写した写真は、写っているクレーターを2点以上クリックして位置合わせ。仕上げに海の形で自動補正します。
634の地名を11ジャンルで
海・大洋、湖、沼、入江、岬、山脈、山、断崖・谷、主要クレーター、クレーター(拡張)、着陸地。ジャンルごとに表示を切り替え、地名は日本語と英語に対応。
欠け際の見どころだけを表示
明暗境界線(欠け際)からの太陽高度で範囲を決めて、その範囲の地名だけを表示できます。夜側の地名は表示・薄く・隠すから選べます。
方位マーカーと回転表示
月の北極・南極(N/S)、赤道の端(E/W)、観測地の天頂の方向をマーカーで表示。写真ごと「天頂を上」「月の北極を上」に回転できます。
編集できる形式で書き出し
PNGのほか、線と文字がベクターのままのSVG(Illustrator用)とPDF、レイヤー付きPSD、文字を編集できるレイヤーを作るPhotoshopスクリプト(JSX)に対応。
作業の保存と観測地の記憶
位置合わせや表示の設定を設定ファイルに保存し、あとから続きを再開。国内外90地点の観測地リストは夏時間も自動で設定し、選んだ地点を覚えておきます。
作例Gallery
月全体の写真から、一部を拡大した写真まで。

BEFOREAFTER
使い方How to use
月全体が写った写真なら、「種類を選ぶ → 写真を読み込む → 撮影日時を確かめる」の3手順で、地名が自動で重なります。
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写真の種類を選んで読み込む
「01 月の写真」で、先に「月全体が写っている」か「一部だけ(拡大)」かを選び、写真を選択するか画面にドラッグ&ドロップします。写真が未選択のときは、画面中央の2つのボタンからも選べます。
写真はブラウザの中だけで処理され、どこにも送信されません。ホイールで拡大、ドラッグで移動できます。

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撮影日時と場所を確かめる
写真のEXIFに撮影日時があれば自動で入ります。撮影日時は分まで正確に入力してください。場所は観測地リストから選ぶか、緯度・経度を入力します。
- 観測地リストは日本20地点と海外70地点。標準時と夏時間は撮影日に合わせて自動設定
- 緯度・経度は10進(度)でも度分秒でも入力可能
- EXIFに撮影位置がある時は、記憶している観測地とどちらを使うか確認
- 選んだ観測地やカスタムの座標は、次回の起動時も保たれます



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自動検出の結果を確かめる
月全体の写真では、読み込むと同時に月の縁と向きを自動で検出し、地名と経緯線が重なります。「04 位置合わせ」に3つの指標が表示されます。
- 縁の当てはめ誤差:検出した円と月の縁のずれ。1〜2px程度なら良好
- 海の形の一致:参照用の月面画像と写真の明暗の一致度
- 輝面の一致:計算上の欠け方と写真の光っている部分の一致度。低い時は日時や場所の入力違いを疑います

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表示を整える
「05 表示」で、表示する地名のジャンル、文字とポイント(●▲)のサイズ、経緯線の間隔、明暗境界線、方位マーカー、写真の向きなどを決めます。月面にマウスを乗せると、その地点の緯度・経度と近くの地名が左下に表示されます。

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書き出す
「06 書き出し」で範囲(表示中の範囲/写真全体)を選び、PNG・SVG・PDF・PSD・Photoshopスクリプトのいずれかで保存します。撮影日時・場所・輝面比・秤動などの撮影情報を画像の隅に書き込むこともできます。
作業の続きは「07 アノテーション設定ファイル」に保存しておけます。

位置合わせの仕組みAlignment
月は地球に同じ面を向けていますが、日や時刻によって少しずつ首を振り(秤動)、見える向きも傾きます。アプリは撮影の瞬間の月の姿を計算し、写真に写った月と重ね合わせます。
撮影日時から月の姿を計算
「03 月の見え方」に計算結果を表示します。
- 月齢・輝面比・高度と方位・距離・視直径
- 秤動(経度・緯度)と自転軸の位置角 P
- 視差角 q(天頂の方向)と太陽の余経度
- 写真上の北極方向と、水平からの写真の傾き
月の位置と秤動は天文計算の定番書(Meeus『Astronomical Algorithms』)の方式で、観測地から見た値として求めています。

| 写真の向きの決め方 | しくみ | 向いている写真 |
|---|---|---|
| 海の形 | 内蔵の月面参照画像に撮影時刻の太陽の当たり方を掛け合わせ、写真の明暗と照合して回転角と左右反転を求めます | ほとんどの写真(初期設定)。満月に近い月で特に確実 |
| 輝面 | 写真の光っている部分の形が、計算上の欠け方と最も重なる回転角を探します | 欠けた月。海の形の一致が低い時の代わりに |
| 基準点 | クリックで指定したクレーターなどの位置から、位置・大きさ・向きを求めます | 一部を拡大した写真、自動検出がうまくいかない写真 |
| 天頂が上 | カメラを水平に構えて撮った前提で向きを決めます | 経緯台で撮影し、写真を回転していない場合 |
| 北が上 | 天の北が写真の上を向いている前提で向きを決めます | 赤道儀で北を上にして撮影した場合 |

手動での調整
- 回転の微調整:±45°の範囲をスライダーか数値(0.01°単位)で。調整中は、当てはめている海の輪郭が水色で約1秒表示されるので、写真の海と重ねながら合わせられます。
- 縁をドラッグ調整:月の内側をドラッグで中心を移動、縁の近くをドラッグで半径を変更。中心X・Y・半径は数値でも入力できます。
- 縁をクリックで指定:細い三日月などで縁が合わない時は、明るい外周を3点以上クリックして円を決めます。
- 左右反転:天頂ミラーを使った写真など。海の形での判定時は自動で設定されます。
明るい外周だけを縁として数えるので、明暗境界線を縁と取り違えにくく、輝面比25%以下の細い月でも縁を検出できます。
一部を拡大した写真Close-up photos
月の縁が写っていない拡大写真は、写っている地形を基準点にして位置を合わせます。写真を読み込む前に「一部だけ(拡大)」を選んでください。
- 「02 撮影日時と場所」を正しく入力します。
- 一覧から、写真に写っている地名(クレーターなど)を選びます。一覧は海・湖・山脈・クレーターなどのジャンル別に、五十音順(英語表示ではアルファベット順)に並んでいます。
- 「写真上をクリック」を押し、写真の中でその地名の位置をクリックします。
- 2〜3を繰り返して2点以上登録します。3点以上なら左右反転も判定します。点どうしは離れているほど正確です。
- 「海の形で位置と向きを微調整」を押すと、クリックのずれが補正されます。
- まだずれる場合は「回転の微調整」で合わせます。
基準点の一覧には、点ごとのずれ(px)が表示され、×で個別に削除できます。部分写真では、地名と経緯線を「写真の範囲内」だけに描くのが初期設定です。



表示の設定Display
書き込む内容と見た目は、すべて「05 表示」で決めます。設定は画面にも書き出しにも同じように反映されます。

地名のジャンル
11のジャンルを個別に表示・非表示にできます。地名を検索すると、その場所に拡大して強調表示します。
見た目
- 経緯線(5°・10°・15°・30°)と経緯度の数値、月の縁、明暗境界線
- 文字サイズ(4〜22)、ポイント(●▲)のサイズ(0で非表示)、注記の不透明度
- 夜側(影)の地名:表示/薄く/隠す
- 描く範囲:画面全体/写真の範囲内
- 写真・文字・マーカー・経緯線などを個別にグレースケールに
方位マーカー
- ▿N・▿S:月の北極・南極の方向(初期設定で表示)
- ▿E・▿W:月面の赤道が縁と交わる位置(E は危難の海の側)
- ▵天頂:観測地から見た真上の方向
表示の向き
「写真のまま」「天頂を上」「月の北極を上」から選ぶと、写真と注記をまとめて回転します。文字は常に正立のままです。書き出しにもこの向きが反映されます。


明暗境界線からの範囲
クレーターの凹凸がよく見えるのは、欠け際(明暗境界線)の近くです。「明暗境界線からの範囲だけ地名を表示」をオンにすると、その地点の太陽高度で範囲を決めて地名を絞り込めます(例:昼側25°・夜側3°)。範囲の境界は水色の点線で表示できます。
グレースケール
写真、地名の文字、マーカー、経緯線、経緯度の数値、月の縁、明暗境界線、撮影情報、方位マーカーを、それぞれ個別にグレーにできます。


書き出しExport
「表示中の範囲」は画面に見えているとおりに、「写真全体」は元の写真の解像度で、表示の向きの回転を反映して書き出します。
| 形式 | 中身 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| PNG | 写真にアノテーションを焼き込んだ画像 | そのままWebやSNSに載せる |
| SVG | 線と文字がベクターのまま。経緯線・地名・地名のマーカー・方位マーカー・撮影情報などのグループに分かれる。写真の埋め込みは選択可 | Illustrator で文字の修正やレイアウトの調整をする |
| ベクターのPDF。同じ区分がレイヤー(表示・非表示を切り替えられる層)になる | Acrobat での確認や印刷 | |
| PSD | 写真と、経緯線・地名などの区分ごとの画像レイヤー | Photoshop でレイヤーごとに色や不透明度を調整する |
| JSX | Photoshop用スクリプト。開いた写真に、地名の文字レイヤー(黒い縁取り付き)と、線・マーカーのレイヤーを作成 | Photoshop で地名の文字を編集したい |
Photoshop スクリプト(JSX)の使い方
- 元の写真を Photoshop で開く(開いていない時は、実行時に写真を選ぶ画面が出ます)
- [ファイル]→[スクリプト]→[参照]で書き出した .jsx を選ぶ
- レイヤーグループ「Moon annotations」の中に、区分ごとのグループと文字レイヤーができる
「表示の向き」で回転していた場合は、スクリプトがカンバスを同じ角度に回転してから書き込みます。日本語フォントはヒラギノ・游ゴシック・メイリオの順に、インストール済みのものを使います。
書き出しのご注意
- PDFには日本語フォントを埋め込んでいません。表示側の標準の日本語ゴシックで表示されます(Acrobat・macOSのプレビューは対応)
- PSDは写真を含めると大きくなります(3456×3456pxの写真で約35MB)
- Photoshopで「開く」で読み込んだPDFやSVGは画像になります。文字を編集するならJSXを使ってください
- 撮影情報(日時・場所・輝面比・月齢・秤動・余経度)は、文字サイズの設定に合わせて隅に入ります
アノテーション設定ファイルProject file
「設定を保存」で、撮影日時・観測地・位置合わせ(縁の円・基準点・向き・回転・左右反転)・表示の設定・表示の向きを .lunar-annotation.json に保存します。
- 写真も含めるにすると、設定ファイルを読み込むだけで写真ごと元の状態に戻ります。
- 写真を含めない場合は、読み込み時に元の写真を選ぶよう案内が出ます。サイズが違う写真を選ぶと警告します。
- 設定ファイルは画面へのドラッグ&ドロップでも読み込めます。
ブラウザの制限により、ファイルの保存場所から写真を自動で開くことはできません。

日本語と英語Bilingual
左上の EN / JP ボタンで、画面表示と写真に書き込む地名を日本語と英語で切り替えられます。英語表示では、地名の一覧もアルファベット順に並びます。
地名は海・湖などの日本語名と、国際天文学連合のラテン語名(Mare Imbrium など)に対応しています。

よくある質問FAQ
写真はどこかに送信されますか?
撮影日時はどのくらい正確に必要ですか?
撮影場所はどのくらい正確に必要ですか?
三日月の写真でも使えますか?
「海の形」と「輝面」はどちらを使えばよいですか?
左右が反転した写真(天頂ミラー使用など)は?
推奨するブラウザは?
謝辞Acknowledgements
オープンβ公開によりまして、多くの方のご協力で
様々なご指摘やご要望を戴き、アプリを強化することが出来ましたこと、
この場を借りて心よりお礼申し上げます。
MOONSYSTEM